「セルフチェックをしてみたけれど、やっぱり心配…。でも、病院に行くのはちょっと勇気がいる」
そんなふうに感じる方は少なくありません。
この記事では、受診前に準備しておくと安心なこと、医師に伝えるポイント、相談先の探し方をご紹介します。
小さな一歩が、あなたの心を軽くする助けになりますように。
受診前に準備しておきたいこと
症状のメモを作ろう
日常の中で「いつ」「どこで」「何をしていたとき」に症状が出たかを書いておきましょう。
例:
・電車の中での柔軟剤の臭いで頭痛
・洗剤の臭いでめまい
・職場の整髪料で息苦しい
簡単なメモでも、医師にとって貴重な情報になります。
セルフチェックの結果を持参
「もしかして…」と思ったきっかけや、セルフチェックの内容を書いておきましょう。
例:
・柔軟剤の臭いで体調が悪くなった
・人混みに行くと息苦しくなる
・セルフチェックで当てはまった項目(例:頭痛、めまい、吐き気、倦怠感)
紙にメモしても、スマホのメモアプリにまとめてもOKです。
※詳しくは「化学物質過敏症の初期症状チェックリスト」をご覧ください。
使っている化学物質・避けているもののリスト
普段使っているものや、体調のために避けているものを書き出しておきましょう。
例:香料入りの製品、洗剤、柔軟剤、化粧品など。
「どんな物に気をつけているか」を医師に伝えることで、理解が深まりやすくなります。
※詳しくは「化学物質過敏症の悪化要因リスト」もあわせてご覧ください。
どこに相談すればいい?受診先の選び方
何科を受診する?
化学物質過敏症の相談は、まず内科、アレルギー科が主な相談先になります。
内科では全身の症状を総合的に診てもらえますし、アレルギー科ではアレルギーとの関連を確認できます。
もし症状によって不安感や気分の落ち込みが強い場合は、心療内科の受診も検討してみましょう。
ただし、化学物質過敏症に詳しい専門医は限られているため、事前に病院のホームページを確認したり、電話で「化学物質過敏症に対応していますか」と問い合わせておくと安心です。
また、自治体の保健所や患者会、支援団体に相談し、専門医の情報を集めるのも良い方法です。
患者会や支援団体の情報を活用する
化学物質過敏症の患者会は、同じ悩みを抱える人たちが集まり、情報交換やサポートを行っている団体です。
対応してくれる病院の情報や、受診時の工夫、最新の知見などを得られることがあります。
公式サイトやSNS、会報をチェックしたり、必要に応じて問い合わせてみるとよいでしょう。
例:
化学物質過敏症支援センター
地域の患者グループ(LINEやFacebookグループ)
相談できる窓口
・自治体の保健所
・患者会・支援団体
・SNSやオンラインコミュニティ
「病院探しが不安」というときは、まずこうした窓口に相談してみましょう。
自治体の保健所に相談する(※過度な期待は控えめに)
保健所は相談先のひとつですが、化学物質過敏症に関する情報の充実度は地域によって差があります。
十分な情報が得られない場合もありますが、場合によっては他の相談先や支援窓口を紹介してもらえることがあります。
選択肢の一つとして、相談を検討してみるのもよいでしょう。
受診当日のポイント
同伴者がいると安心
家族や友人と一緒に行くことで、心の支えになるだけでなく、
医師とのやりとりを整理する助けにもなります。
また、医師によっては化学物質過敏症に懐疑的な場合もあるため、
同伴者からの証言が説得力を持つことがあります。
医師に伝えるべきこと
・これまでの症状の経過
いつから、どんな症状が出始めたかを書き出しておきましょう。
例:数か月前から洗剤の臭いで頭痛がする、柔軟剤の臭いで息苦しくなるなど。
・日常で困っていること
生活の中で特に困っていることを具体的に。
例:職場での整髪料の臭いがつらい、人混みに行くとめまいや吐き気がする、家族の使う柔軟剤で寝室に入れない。
・セルフチェックの結果
「もしかして」と思ったきっかけや、セルフチェックの内容をまとめておきます。
例:頭痛、倦怠感、息苦しさ、集中力の低下など、当てはまった項目。
・普段の生活で気をつけていることや悩み
自分なりに工夫していることや避けているものを伝えましょう。
例:無香料の洗剤に変えた、外出時はマスクを使う、換気を徹底している、周囲に理解してもらえず悩んでいる。
無理せず少しずつ相談を
初めての受診では、症状や悩みをすべて話そうと無理をしなくても大丈夫です。
化学物質過敏症は症状や背景が人それぞれ違うため、
何度か相談を重ねる中で、医師と一緒に整理していけば十分です。
最初の受診では、特に困っていることや辛い症状に絞って伝えてみましょう。
次の受診や相談のときに、少しずつ他のことを話していけば構いません。
「一度ですべて説明しなきゃ」と思わず、
一歩一歩相談を積み重ねていくことで、前に進めることを忘れないでください。